
社会人なりかけの当時、OA(オフィスオートメーション)という言葉があり、オフコン、ワードプロセッサ、ファクシミリは「三種の神器」と呼ばれていた。神器とはいかにもオーバーだが、従来の仕事のやり方そのものが変わる(変えられる)ものとして注目を集めたものだった。
すでにワードプロセッサは、パソコンに専用のソフトを搭載したものに置き換わりとうに世の中から消えてしまったが、当時は印刷機能がついいた一体型のものは大変重宝した。ある会社でOA機器営業社員として働いていた頃は見積書の手書きが当たり前、新規、また書き損じがあった場合には一から作らなければならず相当に労力を要した。今となっては古き時代の思い出のひとつである。
しかしながら、この35年ほど前に神器ともてはやされたもののひとつが、昨今注目を浴びることになろうとは想像もしなかった。言うまでもなく新型コロナ感染災害で東京都が都内各地の保健所からのPCR検査結果の収集のためにファクシミリを利用しているという現実である。話を始めて耳にしたときには本当に驚かされた。
新型コロナ災禍が進行する中、日々のデータを即時総合的に分析し、その実態や傾向を掴み必要な対策を遅滞なくとることが求められていることは専門家達の統一見解である。
残念ながら、データはリアルタイム性がなく日々あいまいなものとして公表され、知る権利さえ阻害されている。
日本は、20年前に「5年以内に世界の最先端のIT国家になる」と宣言をしたにもかかわらず今年も同じようなメッセージを発している。ため息が出るばかりである。


